2016年7月13日水曜日

「初体験」

結構長い間書いていなかったな。先日武道館で開催された「アイラブミュージカルズ」に行ってきた。「スリー・ファントムズ、奇跡の共演!」と題されたこのコンサート、圧倒的な歌唱力の名優たちの歌を堪能した。唯一の日本人、新妻聖子ちゃんも頑張ってたね。

なんといっても己で傑作だった観劇シーンがある。10日に水道橋の「宝生能楽堂」で開催された能と狂言に出かけてきたのだが・・・

劇場は初めてだったし、趣のある造作の空間で、得した気分に浸っていた。舞台から近いし、12,000円もする席だから、しっかり楽しもうと・・・
開演時間がやってきた。花道奥からゆっくりゆっくり歩を進める登場人物。厳かな気分に浸りながら興味深々。が、5分もすると急激な睡魔が・・・笛と小鼓、太鼓 「ヨォーゥ」「オォーゥ」なる掛け声(とは言わないのだろうが)が、気持ちよく眠りに誘うのだ。

 「ヨォーゥ」「オォーゥ」の声が実にまったりと、そして規則正しく、五感をとろけさせる。あまりの静寂の中でいびきをかいたらまずいな・・・という焦りを抱えながらどんどん眠りに落ちる。時々目を開けると「演者」はほぼ動き無く同じ場所に立っているし、前の席のおじさん、おばさんも眠りに落ちている・・・少し安心してまた眠りに落ちる。時々目を開けると「演者」はほぼ同じ場所に立っている。物語が進行している感覚が無いものだから、3,40分過ぎたかな・・・とおもって時計に目をやると、時計が狂っている!と錯覚したほど時間が過ぎていたのだ。

一演目1時間45分、演者はほぼ同じ場所でゆったり・・・ゆったり・・・「ヨォーゥ」・・・「オォーゥ」・・・眠れないと悩んでいる人が居たら「能の世界」をぜひおすすめしたい。

次の狂言を観たかったのだが、全演目で4時間・・・一日が終わってしまうと想い、途中退散して会社に来たのだった・・・仕事が残っていなければ、4時間寝ててもよかったんだけどね!

それにしても1時間45分の演目の間、1時間10分は寝ていただろうな・・・なんて初体験!だった。