人にはそれぞれツボというものがある。もう20年ぐらい前になるだろうか、今では義理の弟になっている昭君と銀座へ映画を観に行った。当時はまだ韓国映画の時代は来ておらず、もの好きな人間だけが観に行くような映画館で韓国映画を観た。番組の後半、我慢できずにポロポロ泣いた。映画館を出ると、昭君はこう言った。「藤原さんの涙のツボがわからない・・・」
先日の旅で、都合3本の映画を機内で観た。行は「恋人たちの予感」帰りは「いまを生きる」と「I am Sam」だ。帰りの2本はどちらも泣いた。視線の中にある客が時々こちらを見ているのがわかる。「なんで泣いてんの、おっさん・・・」てな感じで。泣けるんだから仕方がないだろ!ツボなんだよツボ!。で、「I am Sam」のラストシーン、ここが一番の見せどころ泣きどころ、というところでアナウンス。「ただ今成田空港に到着いたしました・・・」予感はしていたが、またか!!!
最後まで観ることが出来ず、あと10分のためにレンタルしてくることになる。結末はわかっているのだが、消化の悪いものを喰ったようで気分が悪いから、やっぱり借りてくるか。あのかわいい子の名演技、もう少し観たい。
そう、人にはツボがあるんだよ。笑いのツボ、涙のツボ、もしかして怒りのツボ、メロメロになってしまうツボとかね。仕事にはコツがあるし、ポイントを押さえるのにはヘソもある。結構面積の狭い点のようなものが大きな意味を持っているという事だ。見落としてはいけない・・・
しかし昭君はあの韓国映画を観て、笑いはしたが泣きはしなかった。ツボが違うという事だが。