2014年11月12日水曜日

「じじいの会」

「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸われし十五の心」「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたはむる」・・・当時石川啄木の歌を愛していたのだろうか、今でもスラスラと出てくる。授業をさぼって盛岡城跡に行き、寝ころんでこの歌を口ずさんだものだ。十五の時だ。多感な時代だった。なぜこの話?秋だからだ(笑)。読書の秋だとか、詩が心に染み入る秋だとか、秋なのだ。

この時期、陽が落ちるのが早すぎて困る。昨日飲みすぎて、昼過ぎに会社に出てきたものだから、ろくな仕事をしないうちに外は真っ暗。一日が数時間、てな気分になってしまう。心は焦るのだが仕事が進まず、「我泣きぬれて酒とたはむる」という時間が早々とやって来るのが「秋」、な訳ないか・・・。今日は飲まないぞ!(笑)

昨日の小宴会は楽しかった。友人の還暦祝いの宴だったのだが、余計な気遣いしない仲間の会合は精神衛生に良い。男6人のうち、当事者が一番若いという事に集まって初めて気が付いた。なんだ、じじいの会合だったのだか。で、会が楽しかったから、この仲間で一年に一度集まる定期的な会にしようという事になったのだが、そのうちの一人が「一年後だと死んでいるやつがいるかもしれないからもっと早く集まろう」と言う。真顔でいうものだから、6月にやろうという事で決着したのだが、やはり「じじい」の会だった(苦笑)。

集いのネーミングを「汗暦の会」とした。汗をかきつづけた60年と言う意味で。お祝いの言葉を「祝詞(のりと)」とした。これはふざけただけ。そこかしこに、笑いがこぼれていて、多少飲みすぎても仕方がないな。社会にでてからの友達と、利害がからまず無欲で付き合うのはなかなか難しい。
だが、じじいになってくると、大切な友達の選別を始めるものなのかもしれない。そんなこんなで昨日の仲間の会は「どじょうの会」と命名された。「じじいの会」ではなくてよかった・・・(笑)。