2015年2月4日水曜日

「天国からの葉書」

「〇〇〇〇儀 〇月〇日 永眠いたしました。生前何かとお世話になりましたこと・・・」藤原への宛名が書かれた葉書にこう記されていた。〇〇儀とは葉書を書いた本人だ。つまり、「自分が死んだ」という通知ハガキを自分で書いているのだ。

昨日届いた封書の中にこの葉書は入れられていた。
「1月14日に妹は亡くなりました。遺書と一緒に、藤原様を含めた何人かに宛てた葉書があり、自分が死んだら出してほしいと書き添えてありました・・・」と、お兄さんからの手紙だった。なぜ?なぜ?

彼女の夫は藤原の10代からの友人だった。二人の結婚式の司会もした。だが、彼は3年前、病気を苦にして11階から飛び降りた。あれから3年ほど、残された彼女には新たな人生を歩んでほしいと願っていたのに。去年電話した時、彼女は石垣島に居た。「彼とよくダイビングのために出かけた場所です、これからみんなで食事に行くの」と言った。友人が沢山居るとも言っていた。古い付き合いの人間があまり関わったら、女性は新たな羽ばたきをしにくいのかも・・とその時思った。だから、年賀状も迷った結果出さなかった。彼女からも来なかった。「やっぱりね・・・」そんな気持ちでいた。

それが、正月14日に命を絶っていたなんて・・・

なんで「辛いとか、苦しいとか、寂しいとか、話してくれなかったの・・・」と悔やんでも、もう遅い。おせっかいにならないよう、押しつけにならないよう、遠くから見ていればいい、と思っていたのは間違いだったのだろうか。せめて、安らかに眠ってほしい。でも〇〇ちゃん迄、死ぬことはないだろう!!! 
馬鹿野郎!!!
節分の日に届いたメッセージは「天国からの葉書」だった。